前回のセメスターで、ECサイトの展開とデジタルマーケティングについて学びました。私自身がこれまでに持つデジタルマーケティングの知識や経験に加えて、カナダ独自の法律など日本と違うところも色々あるなと思いました。ECサイトで海外展開したいと考える方にとっても有益な情報ではないかなと思いましたのでグローバル展開に向け、クリアすべき条件とその重要性を簡単にまとめてみました。
Contents
ターゲット国選定と調査分析
どの市場が自社製品の展開に適しているかを理解し、潜在的な顧客層を特定。ターゲット国の文化、消費者の傾向、競合状況などを分析します。
Japanブランドは世界的に人気が高いのですが、市場規模や言語面でも北米(特にアメリカ)が最初のターゲットとして良いのではないかと個人的には思います。ちなみに、カナダはパッケージに英語とフランス語の両方の表記が必要で、英語とフランス語をサイトに搭載している企業が多いです。
ヨーロッパは文化に対する理解や価値を見出す傾向にありますが、英語以外が第一言語の場合も多いので、英語のみでどこまで展開できるのかな?というところが疑問です。英語という意味では、イギリスからスタートしてみるのが良いのかもしれません。
法規制と税制の調査
対象国の法律、輸出入規制、税制の理解。関税、消費税、輸出入に関する法律など国によって異なります。国によって配送できない物(植物や生鮮食品など)と配送できる物の区別も必要になります。
IPリスク
商品によっては、商標登録や特許の申請などを検討する必要があるかもしれません。特に商品のデザインや構造は特許を申請していなければ模造品が出回る可能性があります。現に、私がインターンをしているカナダの会社も特許申請していなかったがために売れ筋商品に対していくつもコピー商品が出回ってしまったという事例がありました。国ごとに違うので、北米といってもカナダとアメリカそれぞれで申請が必要になります。
配送方法・物流システム
商品の国際配送をどのように行うかですが、配送業者(DHL, FedEx, UPSなど)配送料金の設定、配送可能な国や地域の特定など選ぶ必要があります。海外発送に耐えられる梱包も必要ですし、英語でのドキュメント作成なども必要になります。
サイズや重量によっては配送料がかなり高額になる可能性があるので確認が必要です。
多言語対応のウェブサイトとカスタマーサポート
多様な言語を話す顧客への対応。ウェブサイトの翻訳、多言語対応のカスタマーサポート体制の構築は重要なポイントになります。
参考サイト
Shopifyは実はカナダの会社なのですが、Shopifyをプラットフォームとして使うと様々な機能が付いてきますので、サイトを新しく立ち上げる場合はまず検討してみても良いのではないでしょうか?
日本の商品を海外に卸しているサイト
https://www.superdelivery.com/en/
日本のお菓子をボックスにして定期配送しているサイト
決済方法
各国で一般的なクレジットカード、デビットカードなどの支払い方法はサイトで使えるようにしておく必要があります。
マーケティング戦略の策定
各国の市場特性に合わせた効果的なプロモーションを行います。SNS、Google広告、インフルエンサーマーケティング、地元メディアへの広告掲載など、地域に適した戦略を考える必要があります。広告を内省化して運用できるようであれば良いのですが、リソースや知識がなければ実績のあるマーケティング会社とパートナーできると良いと思います。
北米ではBtoCのマーケティングで、インフルエンサーマーケティングが主流です。他にもショート動画(TikTok, Instagram)などが人気で、日本のようにみんなが見ているテレビ番組というのはないに等しいといえます。SNS運用する場合、コンテンツは異なるので、英語でのアカウントが日本語のアカウントとは別で必要になります。
ex. 日本にいながら英語での配信に成功しているアカウント
https://www.instagram.com/zerowaste.japan?igsh=MTBpdGQxd2Y2bXRzaw==
メルマガはどこもやっていますが、カナダの場合はワンクリックでUnsubscribeできないといけないという法律があるので要注意です。
文化的適合性の確保
現地の文化や価値観に合わせた商品展開を行う必要があり、不適切な商品やマーケティングが無いように注意が必要です(表現や描写など)
品質管理とアフターサービスの強化
国際市場における商品の信頼性を保つための品質管理基準の確立と、問題が発生した際の対応策を整える必要があります。
特に返品や交換はどうするのか?その際の費用は?やり取りは?など想定して決めておく必要があります。