明日は会計&財務コースの中間試験があります。筆記試験とかではなく、上場企業の財務分析をして、自分で問いをたてて、500単語以内で簡潔に答え、10分間のプレゼンをするという、日本ではあまり経験したことのないスタイル。なぜなら、ビジネスマネージャーとして大切なのは、ノウハウではなく「問いをたてる力」だからとのこと。一理ありますが、個人でやってもいいし、グループでやってもいいよとなんともふわっとした指示に生徒一同混乱気味です(笑)
さて、私は友達に誘われて4人グループで取り組むことになりました。モーリシャス、コロンビア、インド、日本出身者の融合チームです。財務分析まで4つのステップを踏みました。そしてたくさん会計士の夫の助けを借りました(笑)
財務分析までの4ステップ
私たちがたどったステップは以下の4つです。
- 財務分析の目的
- 企業選定
- 分析用の比率算出
- 分析結果
財務分析の目的
まずは自分たちの立場と、財務分析の目的を定義。分析する企業のビジネスマネージャーという設定にしました。
企業選定
次にどの上場企業を選ぶのか?
私含め、会計の知識にすごく明るいメンバーではないのでわかりやすい会社にしよう!ということで、リテールカンパニーを選択。
カナダグースやルルレモンなど、カナダのローカルビジネスもいいねと言いつつ、私がUNIQLO(ファーストリテイリング)のホームページでものすごくわかりやすく整理された財務諸表(しかも日英)を発見したので、提案したところ、みんなUNIQLO好き!と言って賛同してくれました。ちなみに、カナダでは14店舗展開しています。
企業のウェブサイトから日英ワンクリックで対訳が見れます。本当に丁寧でわかりやすい!
https://www.fastretailing.com/eng/ir/financial/
分析用の比率算出
安全性と収益性の財務状況を確認することにしたので、2017年から2021年、過去5年間のBalance Sheet (BS)と Income Statement(PLというよりもISの方が主流)から、比率を計算しました。
- Liability Ratio(負債率)
- Leverage Ratio(レバレッジ比率)
- Activity Ratio(活動比率)
- Profitability Ratio(収益率)
莫大な数字だけをみると比較しづらいですが、比率にするとトレンドがわかります。
分析結果
今回の問いは、「過去5年間の財務諸表からこの企業の短期・長期の安全性と収益性について説明しなさい」といった設定にしました。
ファーストリテイリングは、負債率、レバレッジ比率から短期的にも長期的にも安全で、収益についても2020年はコロナ禍で落ち込んだものの、2021年には業績は回復して過去最高の売上を達成。
しかし、ROEと資産回転率は5年前に比べて落ちていることがわかりました。
ただ、資産回転率はよくよくBSの固定資産の中身を見ていくと、2020年から使用権資産というのが急に計上されており、総資産の15%を占めていることがわかりました。
年間報告を見てみると、この年から会計基準を変更してIFRSのリースの計上の仕方が変わっているようでした。(費用だったものが、資産へ)
つまり、資産回転率を単純には5年前と比較して悪くなっているとはいえないということがわかりました。
WordとPowerPoint 資料まとめ
500英単語は長いようでわりと短いです。そのため全ての比率に触れつつも簡潔にまとめ、最後にAppendix(別添資料)とReferences (参考文献)を付けます。
PowerPoint のプレゼン資料には、各データを5年分グラフにし、キーワードを入れました。文字の多いプレゼン資料は避ける必要があるため、細かい説明文は省きます。
世界一のブランドへ
2022年は過去最高の業績とのことで、H&MやZARAと比較しても、品質やサステナビリティの面で素晴らしく、海外での人気は今後も伸び続けるのではないかと思います。
日本のブランドが世界で評価されるのは単純に嬉しいですね。
日本だとどこにでも当たり前にUNIQLOがありましたが、こちらに来るとなんだかとても貴重な感じがします(笑)
最初は英語の会計用語がわからなすぎて授業についていけるか心配でしたが、だんだん、財務分析も楽しくなってきました。
中間試験、パスできることを祈ります!