3日目はプロジェクトライフサイクルの具体的なフェーズについて学びました。まずはプロジェクトを始める立ち上げのフェーズについてです。
プロジェクト憲章はここまでしっかり作らないといけないのか!と私自身は作ったことがなかったので多くの学びがありました。
Initiation 立ち上げフェーズ
プロジェクトを立ち上げる前の準備が必要な場合があります。内容の評価やそもそもこのプロジェクトが実現可能かどうかのテストなど。
予算・スコープ・目的など、プロジェクト立ち上げの理由などを定義したビジネスケースという文書を作る場合もあります。カルガリーの公立図書館の建設プロジェクトは、ここに2年もかかったそうです。
この文書を元に投資や出資を行うかが検討されます。
ここでプロジェクトを実施すべきかどうかの判断が行われます。
プロジェクトを実施するかの判断はいかに?
立ち上げ前の段階でプロジェクトがGoなのかNo goなのかを判断するには以下のようなことを検討に入れます。
- スコープ
- 必要性
- 資本金 vs 運営資金
- 優先順位
- 資産
- スポンサー
最終的には、ROIやNPVなどからこのプロジェクトはどれくらいの利益を創出するのか?
資金以外の面では、
- 経験値
- コアコンピタンス
- 法的必要性
- 環境
- 重要顧客
などを考慮して判断します。
また、お金以外の面は測りづらいので、Weighted Decision Matrixというそれぞれどういった項目を何%重視するか(もしくはYes/No)表を作って合計値を見て判断する場合もあります。
立ち上げフェーズがないプロジェクトもある
プロジェクト開始前のこういった準備が必要ないプロジェクトもあります。
例えば、全社員にスマートフォンを社用携帯として配布するといったプロジェクトの場合
既にやるべきことが明確で、予算さえあれば実現可能性などを判断する必要がない場合は、立ち上げフェーズを飛ばしていきなりプランニングのフェーズに入る場合もあります。
フェーズのアウトプット
このフェーズでのアウトプットとして
- ステークホルダーリスト
- Project Charter (プロジェクト憲章)
があげられます。
ステークホルダーリスト
このプロジェクトに関心がある、関係者を洗い出してリストにします。
- 名前
- 役職
- 社内外
- プロジェクトでの役割
- 連絡先 など
また、どのステークホルダーが重要で、各自が何を重視しているのか?どのような協力(もしくはリスク)があるか?を確認し、どのような頻度でコミュニケーションを取るか?を定義しておきます。
プロジェクト憲章 Project Charter
スコープ、目的、役割と責任などこのプロジェクトを構成する要素を書き表したドキュメントになります。最終的にサインされることによって承認され、プロジェクトがスタートします。
プロジェクト憲章の中身は以下のように構成されます。
プロジェクト情報
- プロジェクト名
- スポンサー
- 日付
- バージョン
- PM名
プロジェクト概要 -Overview
一文でプロジェクトの概要を述べる
目的 -Objective
プロジェクトの目的を「どうしたら完了か?」をSMARTを使って明確に示す
Specific, Measurable,Acceptable,Realistic,Time based(詳細、定量的、容認、現実的、期間)
スコープ -Scope
プロジェクトの要求に応じて、範囲を定義する。また範囲外の事柄も記載することが重要
マイルストーン -Milestone
プロジェクトが成功するためのマイルストーンを示す
成果物 -Deliverables
プロジェクトの成果物を示す
前提条件 -Assumptions
プロジェクトが想定している条件を記載する
制約 -Constraints
プロジェクトのアプローチ方法や解決策を狭めるような制約について記載しておく
ビジネスニーズや利点 -Benefits
なぜこのプロジェクトが必要なのか?利点は何か?を記載する
予算 - Cost
予算や資金をどこから調達するか?を記載する
リスク -Risk
全てのリスクファクターを記載する
承認欄 -Acceptance
プロジェクトを承認する人の名前とサイン欄を用意する
キックオフミーティング
プロジェクト開始が決まったらキックオフミーティングを行い、メンバーでアクションアイテムなどを確認します。
プロジェクトの規模によってこの準備期間がものすごく大切且つ時間をかけなければならない場合があります。特に建設関係などは土地や法律上の制約なども多いので、恐らく大変なのではないかと思います。
次は最も重要なプランニングのフェーズです!