バンクーバーは湿気もなく25度くらいの快適な陽気です。遊びに来るには、夏がベストシーズンですね。

さて、もうすぐカナダの大学のグローバルビジネスマネジメントコース、二学期目が終わろうとしています。今期は、DX・マーケティング・貿易の授業をとっていました。

今回は、DXとチェンジマネジメントというクラスのまとめ&振り返りです。

DXとは

デジタルトランスフォメーションとは、プロセスをデジタル化や自動化するという側面もあれば、アナログのデータをデジタルに変換するという側面もあります。英語だと前者がDigitalizationで、後者がDigitizationになります。

テクノロジーの進化はもうどんなビジネスでも無視できない問題であり、デジタル化しない=競争に負ける=ビジネスの存続危機ということになります。

テクノロジーは怖くない

テクノロジーに疎いからわからない…という人が多いかもしれませんが、テクノロジーは単なる製品なので、1番大事なことは、”Why” なぜデジタル化する必要があるのか?という点です。

コロナで、一気にリモートワークが普及しましたが、それもオンライン会議のできるネットワーク環境やソフトウェアがあったからです。

社員が出社できないという問題を解決するために、家から仕事ができる環境を準備したい。だから、こういうテクノロジーが必要だよね!という流れで、まずは目的や理由を明確にすれば、自ずとどんなテクノロジー(製品やサービス)が必要なのかが見えてきます。

むしろ、どんな問題(もしくは機会)があるのか?そのために、どんなデータを集める必要があるか?そのデータ分析を元に、どんなテクノロジーが必要なのか?を順を追って考えていけば、何も怖いことはなく、むしろビジネスを加速させる非常に強力なツールになります。

私のネガティブ体験

私がずっと乗り越えたかったネガティブ思考2つがこちら!

  • IT企業に勤めてるのに特化したITスキルがない
  • IT運用をビジネス観点から見れていない

新卒でIT企業に入り、ヘルプデスクの仕事を約10年していました。そこで感じていたのが、私はエンジニアではないからITスキル全然身についてないな〜という感覚でした。なんとなくITエンジニア=コード書けてソフトウェア作れるみたいなのがカッコいい!と若かりし頃の私は思っていたのでした。

そして、IT運用改善のプロジェクトのリーダーにアサインされ、数ヶ月でお客様からの戦力外通告をもらった時に感じた、私はIT運用をビジネス観点から網羅的に見ることができてない。お客様の役員レベルからのNGだったので、私にはビジネス観点が足りないとずっと感じていました。

今期の授業で答えが見つかる

今期の授業では、ビジネスケーススタディを3つとテックレビューを1つ、更に自分で4つ目標を立てて自己学習を行うという課題が出ていました。

ケーススタディは、オランダの青花業界のDX、カナダの酪農業界のDX、ノルウェーの生協(生鮮食品)のDXの3つ。テックレビューはチームで興味のあるテクノロジーを調査してレポートとプレゼンしたのですが、私のチームは3Dプリンター技術が医療業界でどのように使われているかを調べました。

自己学習は、データ分析、デジタルマーケティングのトレンドの調査と、カナダのテック企業のグローバル化戦略、データをマネタイズするための新たなビジネスモデルの構築を行いました。(自分で自分の首を絞めるはめに…)

ビジネスケースを通じて、事業全体からデジタルトランスフォメーションを考える必要があることを感じました。また、テクノロジーの進化は適応しなければどんな事業に対しても存続に関わる影響があります。

授業を通じて私のネガ思考に対する解決策が見つかったように感じています。

特化したITスキルは必要ない

もし私が本気でソフトウェアエンジニアを目指すのであれば特化したITスキルは必要だと思いますが、私がやりたいことはそうではなく、テクノロジーをどうしたら使いこなしてよりビジネスが上手くいくようにできるのか?という部分の方が興味が湧くし、やりたいなと気づきました。

つまり、特化したITスキルではなく、ビジネスのどのシーンになぜテクノロジーが必要で、どんなテクノロジーの選択肢があるのか?それをベースにビジネス側とエンジニア、そして何よりもエンドユーザー(顧客や社員)の橋渡しができる存在になれることが私の1番の強みでもあるなと感じることができました。

ビジネスモデルを把握する

IT運用改善をする時に、私はIT部門とユーザのことしか見えていなかったなと思います。だからもっと経営者目線で考えられるようになりたかった。その答えが、今回の授業で教わったBMC(ビジネスモデルキャンパス)の分析とVC(バリューチェーン)分析でした。

ビジネスモデルキャンパス分析は、どんなステークホルダーがいるのか、どんな関係性なのか、どんな価値提供をしているのか、コストと収益の流れなどを一枚のキャンパスのようにまとめる手法です。まずこれを整理して把握することで、DXが誰に対してどのようなインパクトがあるのかを的確に判断することができます。

また、バリューチェーン分析は、オペレーションの流れ、例えばロジスティックス、マーケティング、セールス、カスタマーサービスなどのどの部分に対してどのような影響があるか分析するものです。

この2つを分析することで、どこに対してDXをすべきで、誰に影響がでるかを漏れなく判断することができます。

ビジネスモデル全体を把握することは、私に不足していた経営者目線を補ってくれたと感じます。また、改善を行う時に事業全体や全関係者の影響を洗い出すということも必要だということを教えてくれました。

チェンジマネジメントで最も大切なこと

変化を好む人はいません。仕事のやり方が変わる、仕事の内容が変わる、こういった変化に対して人は、最初は変化に驚き、戸惑い、困惑し、遂に感情は怒り、拒絶に変わります。この困惑から怒りに変わる部分は、避けなければいけません。戸惑う顧客や従業員の感情を理解し、適切な情報やトレーニングを提供し、なるべく早く適応できるように導くことが大切です。

私の最初の会社のコアバリューはカスタマーファーストでした。考え方を変えると、カスタマーとは顧客だけでなく、従業員や協力会社も含まれることになります。なので、DXによる変化の影響は、顧客のみならず従業員や協力会社のことも考えて計画しなければいけません。

従業員の意見を、DX計画の冒頭できちんと聞き入れ、巻き込むこともスムーズにDXするために大切なことです。特に影響力のある人物を巻き込むことで、従業員全体に対して変化を受け入れやすい環境を生み出すことができます。

変化に適応しやすくするためには、実はITスキルのみではなく、EQのトレーニングを提供することも大切だといいます。私はここが1番の驚きポイントでした。テクノロジーは日々進化しており、ビジネスもその変化にどんどん適応しなければなりません。職場での変化は、避けることができないのです。だからこそ、EQトレーニングは会社にとって欠かせないトレーニングの1つになるのではないかと思います。

無事に各種資料を提出

リフレクションペーパーを無事に期限内に提出しました。そして、約束したアウトプットとして、デジタルマーケティングのプレゼン資料、データアナリティクスのプレゼン資料、カナダのテック企業の中でNotchというレストラン向けのアプリ(レストランの紙データをデシダル化し、支払いなどをスムーズに行えるようにするサービス)を提供している企業のグローバル化に向けた提案資料、そして自分のビジネスとしてカナダの親向けに近くのプリスクールやデイケアを検索し申し込みができるサービスのビジネスモデルを構築して、データ分析とデータのマネタイズ案をまとめて提出しました。

しんどかった!アウトプットなんか約束しなければよかった!と思いつつ、自分が8週間勉強してきたかどうかを示すにはアウトプットがないと判断してもらえないよな…と思ったので、とりあえず形にはなっているかなと思います。

オールA目指してましたが、今期は本当に先生の求めるレベルが全体に高いのと、グループワークが大変だった(あまり協力的でないメンバー多く…)ので期待しないでおこうと思います。

でもとりあえず乗り切った自分を褒め、支えてくれた家族に感謝です。