バンクーバーに来て、買い物のしやすさに驚いた。クレジットカード1枚あれば、ほとんどどこでも買い物ができる。タッチ決済が主流で、わざわざカードを差し込んだり暗証番号を入力したりする必要がないのだ。電車に乗るのも同じくタッチ決済。小銭や交通系カードを持ち歩く煩わしさから解放されるのは、本当に快適だ。
日本では「〇〇ペイ」なるものが乱立していて、店ごとに違うアプリを使わなければいけないことも多い。それに比べて、ここでは小さな店でもほとんどがクレジットカード対応。現金を使うことなんて、ほとんどない。
スーパーでも、セルフレジが当たり前のように並んでいる。混雑時には特に便利だ。面白いのは、セルフレジが混んでいるときもあることだ。なぜかみんなセルフレジを好むようだ。
銀行での送金も、これまた簡単。E-transferという機能で、相手のメールアドレスさえあればお金を送れる。いちいち口座番号を調べたり、振込手続きをしたりする必要がない。支払いに関するこのわかりやすさは、カナダの生活の大きな魅力だと思う。
とはいえ、煩わしさがないわけではない。その代表格が駐車場の料金支払いだ。バンクーバーの駐車場では場所ごとに異なるアプリを使わなければならず、その数がやたらと多い。そして、どのアプリも手数料を取られるのだ。
日本のように、駐車した時間分を後から精算する仕組みではないのも不便だ。こちらでは、先に使う予定の時間を予測して料金を支払う。例えば病院の駐車場では、診察にどれだけ時間がかかるか分からないので非常に困る。アプリを使えば時間を延長することは簡単だが、それでも「先払い」というシステムには納得がいかない。時間を余らせてしまうと、なんだか損をした気分になる。
バンクーバーの中心地では駐車料金も高い。「けちけちせずに払えばいい」と思うかもしれないが、3時間分払ったのに実際には1時間しか使わなかったときのモヤモヤは消えない。こればかりは慣れるしかないのかもしれない。
さらに驚いたのは、お釣りの扱いだ。バンクーバーでは、5セント以下のお釣りは切り捨てられるらしい。日本のように小銭をぴったり出してお釣りを減らす、という文化はない。それどころか、そんな細かい計算をする気にもならないのだろう。私も現金をほとんど使わないから気にしたことはなかったが、これには少し驚いた。
それでも、日々の買い物が快適であることには間違いない。クレジットカードとタッチ決済の組み合わせで、煩わしさから解放されている。小さな不便はあれど、バンクーバーでの買い物は総じて気持ちが良い。日々の生活が少しでも楽になる仕組みがあるのは、本当にありがたいと思う。