2025年9月27日。私は長男と一緒に、バンクーバーフラメンコフェスティバル(Vancouver Flamenco Festival)の舞台を観に行きました。

▶︎公式サイト:https://www.vancouverflamencofestival.org/

久しぶりのライブのフラメンコ。

開演直後から、胸の奥が熱くなるのを感じました。

やっぱり“生”のフラメンコは特別だった

会場は小さめの劇場。前から三列目という近すぎるほどの席。

ダンサーたちの表情、汗、息づかい。

ギターの一音一音が空気を震わせ、カホンの振動が座席を通じて体に響く。

「ああ、この感じだ」

3年以上遠ざかっていたはずの感覚が、一瞬で戻ってきました。

長男もじっと舞台を見つめていて、その横顔を見るのもまた、嬉しい時間でした。大きくなったなと。長男は私が日本で踊る舞台も何度か見ていたので、フラメンコ行く?と聞いたら、行きたいと。

このフェスティバルは今年が35周年!すごい歴史。最後にセビジャーナスをみんなで踊りましょうという呼びかけに、長男が「ママ、いきなよ」と一言。私が「え、誰も知らないし」と言っていたら「いいから行きなよ!みたいよ!」と背中を押されて舞台へ。

久々にセビジャーナスを踊れて楽しかったです。

私はいつも長男に、何かチャンスがあったら手を挙げろと言ってるので、今回はブーメランのようにそれが返ってきました(笑)

翌日はワークショップへ

翌日は、出演していたスペイン人のワークショップへ。

会場はバンクーバー中心地にある、なんと7階建てのダンススタジオ。

大きな窓からは街が一望でき、まるで「ここからまた始めようよ」と背中を押されているようでした。

講師はスペイン・セビージャ出身のマカレナ・ロペス。

レッスン曲は「カーニャ」。好きだけど実は初めて踊る曲。

私は3年ぶりにフラメンコシューズを履き、上級クラスに飛び込みました。

靴、痛い。足裏が悲鳴をあげる。

サパテアードを打つたびに「痛い」と「嬉しい」が同時に込み上げる。

でも、踊っている間は、ずっと気持ちが良かった。

足りなかった「ピース」がカチッとはまった瞬間

「なんとなく、私が私に戻った気がする。」

ずっと欠けていたパズルのピースが、ようやく見つかったような感覚。

子育て、仕事、移住…。

それらの中に埋もれてしまっていた「踊る自分」を、再び呼び覚ます時間でした。

バンクーバーにもフラメンコは“生きている”

日本は世界でも珍しいほどフラメンコ人口が多く、舞台も豊富。

一方で、バンクーバーにはタブラオもなく、踊る・観る機会は極端に少ない。

それでも、この街でフラメンコの火を絶やさない人たちがいる。

小さなコミュニティであっても、その情熱は本物。

その事実に触れることができたことが、何より嬉しかったです。

❤️ 終わりに:また踊りたいと思った夜

このフェスティバルは、ただのイベントではなく、「踊ることが好きだった自分」と再会するきっかけになりました。

思わず、日本の恩師である篠田三枝さんにメッセージしてしまいました。

そして、いつかまたステージに立ちたいと思わせてくれました。

私の隣で目を輝かせていた長男は、今はブレイクダンスを頑張っているので、ライブを観た熱が何か彼にも伝わるとよいな。

なみに、フィンデフィエスタを見て「あ、あれサイファーみたいなやつ」と言っていた長男。ブレイクダンスも、一人一人が順番に踊るシーンがあり、それをサイファーと呼ぶらしいです。