バンクーバーで家を探すのは、移民にとって、というか、まあ、ほとんどの人にとって、なかなか厳しい。

そもそも、外国人が家を買おうとすると、税金が二割増しでかかるらしい。昔、中国の人たちがたくさん家を買ったとかで、値段が跳ね上がり、カナダ人でさえ家を買えなくなったからとか。

わたしには、過去の事情はよくわからない。ただ、今、目の前にある数字がえぐい。

住宅ローンも、日本と比べると高い。5パーセント。笑ってしまう高さだ。いや、笑えないのだけど。

先日、バンクーバーの端っこのトゥワッセンという町に行った。駅からはバスを二回乗り継ぎ、スーパーや学校まで車で10分かかるという、まあまあ不便なところだ。ビーチ沿いで風は気持ちよかった。

そこに建っていたのは、可愛らしいけどごく普通の、4LDKの一軒家だった。

値段を見て、目が点になった。1億8000万円。

東京都内の新築戸建てだって買えると思った。

試しにローンのシミュレーションをしてみた。頭金を1000万円入れて、ローンは25年から30年。月々のお支払い、約100万円。ぎょっとする。

カナダは土地がだだっ広いはずなのに、人が暮らせる街は意外と少ない。山や森や湖があるだけで、そこにはスーパーもなければ、学校もない。

だから、みんな、ぎゅうぎゅうに都市に住んでいる。そりゃ高くもなる。

うちには子どもが三人いる。しかも、全員男の子。いつかは一人ずつ部屋を持たせてあげたいな、なんて思っているけれど、今の2ベッドルームでは、もう、ぎゅうぎゅうだ。

バンクーバーが異様に高い、というのは有名な話で、最近では「バンクーバーの家探し」を自虐的に笑うSNSアカウントなんかも人気だ。最後にのせるが、あれは本当に、表情が絶妙で笑えてしまう。

とはいえ、日本も物価が上がっていて、お米に関してはバンクーバーの方が安かったりする。なんだこれ。

広い一軒家が欲しいなら、日本の田舎に移住するべきだ――イオンもコンビニもある。

そんなことを考えながら、今日もわたしは、バンクーバーの青い空を見上げている。

住みやすい街って、いったいなんなんだろう。

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