カナダという国は、広い。とにかく広い。そして、不思議だ。

イースターの月曜日、学校はお休みなのに、会社は平常運転。かと思えば、公的な機関に勤める人たちはしれっとお休みしていたりする。

どうやら、「Public Holiday」と「Stat Holiday」の二種類の祝日があるらしく、それぞれ誰が休んで誰が働くのかが、なんともややこしい。祝日ひとつにも、カナダの懐の深さというか、システムの謎が詰まっている。

そんな不思議なカレンダーに背中を押されて、我が家は4連休を使ってケロウナという内陸の町に行くことにした。ワインが有名な町で、オカナガン湖という美しい湖があり、そして、なんとカンガルーに会える牧場まであるという。

ところが出発数日前になって、気づいてしまった。山道にはまだ雪が降るということ、そして、我が家のファミリーカーはすでにスタッドレスタイヤを履き替えてしまっていた、ということに。

結局、小さな私の車にぎゅうぎゅうに詰め込まれ、家族5人で出発することになった。ちょっとしたサバイバル。エコノミークラスより密だった。

道中、雪がちらつく山道を越えて、ようやく到着したホテルは、湖が目の前に広がる素敵な場所だった。子どもたちはプールに飛び込み、大はしゃぎ。私たちは、というと、お目当てのワイナリーへ。

ケロウナのワイナリーには、レストランが併設されているところも多い。

そのうちのひとつで、Cedar Creek Wineryというワインとのペアリングコースをいただいた。前菜とメイン、それぞれの皿に合わせてグラスが運ばれてくるたび、心の中で「天才か」とつぶやく。ロゼがとくに気に入ってしまい、帰り際には迷わず数本お買い上げ。

最高のペアリング

「内陸に行ったらワインを買いだめるのが常識」と会社の人が言っていたのを思い出して、真面目に従っただけなのだ。たぶん。

そしてカンガルーファーム。カピバラがいて、カンガルーがいて、餌をやったり触ったりできる。子どもたちはもう興奮しっぱなし。

日向ぼっこしていたカンガルー

次男はホテルを「ホテルのおうち」と呼び、じたくに着いた時に違うと泣いた。帰りたい!と。

カナダの春と夏は短い。でもその短さが、特別な時間にしてくれるのだと思う。

15度くらいのちょうどよい気温、澄んだ空気、遠くに見える雪山、湖のきらめき。

我が家のホテルのおうち

また来よう。絶対に、また来よう。

「ホテルのおうち」に帰ろう。