気づいたら、11月があっという間に過ぎていた。バンクーバーの空気はすでに冬の気配を帯び、街にはBFCMの熱気とクリスマスのきらめきが同時に溢れている。

フラメンコのある週末

11月の土曜日は、毎週フラメンコのために40分のドライブから始まった。久々に体を打ち鳴らす時間ができたのが嬉しくて、多少の遠さも気にならない。

ただ、バンクーバーの街中の運転だけはどうしても慣れない。車が多くて道が狭く、視界に余裕がない。ある日ついに電車で行ってみたら、これが快適で。レッスンの後に街を歩く余白までできて、ようやく「ああ、バンクーバーに来たな」と思えた。

BFCM(ブラックフライデー&サイバーマンデー)の週末は、バンクーバーのモールが恐ろしいほどの人で埋め尽くされていて、あの混雑はさすがに笑ってしまった。

クリスマスの準備が始まる

街だけじゃなく、我が家もすっかり年末モードに突入。クリスマスツリーを出し、今年はオーナメントもいくつか追加した。ミッキーやストームトルーパー、私の好きなバンド、ジグザグのキーチェーンまでぶら下がり、気づけば「なんだか愉快な一家のツリー」が完成した。

愉快なクリスマスツリー

次男(4)はというと、クリスマスへの気持ちが高まりすぎて、家中の家具にサンタ帽を飾りつけて回っている。「クリスマスの準備!」と満面の笑みで。サンタにはハギーワギーのお人形をお願いするらしい。どうか届きますように。

仕事の11月:ドラゴンと新商品

仕事面でも大きな出来事が続いた。会社が全国放送のテレビ番組「Dragons’ Den」(日本の「マネーの虎」のような番組)に出演し、その放送をみんなで観るパーティーをダウンタウンのレストランで開催。取引先も参加して、ちょっとした“お祭り”のような夜になった。

結果は、なんと3人のドラゴンから投資オファー。これ以上ない展開で、放送後の売り上げは1.5倍以上。勢いというものは本当にあると実感した。

さらに、私が担当してきた新商品・シャワーフィルターのプレローンチも11月に実施。5000人のVIP会員に先行販売し、手応え十分の結果に。12月の正式ローンチがますます楽しみになっている。

日本側では、FreewillがCOP30に参加する唯一の日本農家さんの委員会に協賛と現地参加するということで、私は遠方から広報の後方支援をした。また、青山のTelling Cafe & Galleryも本格オープンということでこちらも勢いにのってて素晴らしい。私の周りも相変わらず、日本へ旅行に行く人が後を経たない。全員、良かった、また絶対に行きたいと言っているのがやはり日本の持つ文化や食の素晴らしさのおかげなのだろう。

カナダは150年ほどの歴史しかないが、日本は何千年を超える歴史がある。ありがたいことです。

家族の時間

可愛いクリスマス装飾の街
ポケモンストアも!

家族の週末も相変わらずにぎやかだった。スケート、チリワックのクリスマスタウン、Rec Roomでのゲーム三昧、ブランチ、公園。

最終日は月末セールでモールへ行き、室内遊び場で遊び倒してから、お友達の誕生日パーティーへ。1日中全力で楽しんでいるうちの三兄弟を見ながら、夫がぼそっと言った。

「俺なんて、親に毎週遊びに連れてってもらった記憶ないよ。」

……うちの子どもたち、本当に幸せものである。

バースデーコーディネーターのママにかかるとすごい

夫婦フルタイムというリアル

そんな夫も、11月は1週間だけ9〜18時の新しい仕事が入り、大変そうだった。朝はお弁当を作り、デイケアへ送り届けてから出勤。私はというと、オフィスをいつもより1時間早く出て迎えに行き、夕飯づくりを担当。

夫婦二人ともフルタイムだと、きっとこういう日々なんだろうな……と思うと、いろんな家庭に心から敬意を抱いた。

ただ、普段ほぼ英語を使わない夫にとっては、英語環境の職場は良い刺激だったらしい。日本語が話せる人に「お前カナダでどうやって生きてんだよ!」と言われたというエピソードには笑ってしまった。

冬の“パチパチ”との戦い

私はというと、乾燥シーズンの静電気に辟易し、クローゼットの化繊を天然素材に置き換える大作戦を決行中。服のタグを見ると、見事に“プラスチック”ばかりで驚いてしまう。

そこで、コットンのニットやウールのパンツを探し回っている。

無印のスパッツはほぼコットンで助かった。

洗濯のたびに洋服からマイクロプラスチックが海へ流れ出すと聞くと、環境にも人体にもよくないよなと思う。最近話題の“ヴィーガンレザー”も、その実プラスチックだったりするマーケティングの世界。

少しずつ、“ちゃんと選ぶ”生活を積み重ねたい。

そして、12月へ

気づけばもう今年最後の月。街も家も仕事も、子どもたちのテンションもすっかりホリデー仕様だ。

今年の締めくくりに向けて、楽しく、丁寧に、日々を重ねていこう。