カナダの夏は、短い。
気がつけばもう九月。木の葉は色を変え、ひらりと落ちる。
夕暮れも早くなって、あの、9:30まで明るかった空は、いまや7:30で沈んでしまう。
それでも日本に比べれば長いはずなのに、「あぁ、終わっちゃう」と思わせるのが、この土地の夏だ。
空も少しずつ曇って、雨が混ざる日が増えてくる。冬が近づくと、太陽はほとんど顔を出さない。

今年は山火事の煙で、バンクーバーの空が白くかすんだ。大気汚染の警報が出るほどで、「夏=青空」ではない時もある。
長男は、サマースクールに通った。午前中はリーディング。役を決めて、スクリプトを感情込めて読む練習。これが無料だなんて、なんだか不思議。ありがたい。
午後はアート。銀紙を丸めたり貼ったり、クラフト三昧。
三週間、違う校舎に通い、違う友達と先生と過ごした。彼の表情は、少し大人びて見えた。
市のサマーキャンプにも行った。バーナビービレッジでカヌーに乗り、カルーセルに揺られ、大好きなボランティアのお兄さんと笑った。お別れが悲しくて、何度も戻りたいと騒いでいた。
そのあとはパルクール。カナダに来てから毎年の恒例で、体は着実に強くなっている。
親としては高い参加費にうーんとなるけど、Tシャツや迎えの余裕時間がありがたく、まぁいいかと思う。
小さい子たちは変わらずデイケアへ。夏も、日常はちゃんと回っている。
終盤は、妹家族が日本からやってきて、従兄弟たちと遊び倒した。吊り橋に行き、湖でBBQをし、みんなでLAのディズニーランドへ。

キャラクターに会い、アトラクションに乗り、アメリカの物価に悲鳴を上げた。ペットボトルの水が八百円。カードの請求額を見て、目をそらした。

スターウォーズ、カーズ、アベンジャーズ、ピクサー。日本にない世界がそこにあった。スターウォーズが本当に感動し、BB8が我が家の仲間に加わった


すでにハロウィンイベントが始まっていて、仮装とお菓子とパレード。季節を先取りしすぎて笑った。

しかし、この旅の前には、エアカナダのストライキに巻き込まれ、別の航空券を買う羽目に。二重出費の痛さと、主張しなければ何も返ってこない北米社会。とりあえずポイントでいいから返してくれと主張だけはしてみる、ダメ元でも。
日常の中でも事件はあった。
乾燥機が壊れて、新しいのを買うために大家や修理業者とやりとりした。出費も痛い。
次男は虫歯が見つかり、初めての歯医者さんへ。カナダの歯医者は口をゆすぐ場所がないのが不思議だ。歯医者は基本の医療保健に含まれていないので会社で入る福利厚生の保健でカバーされる。それでも50%支払うのでかなり高い。
いいことの方がもちろん多かった!
私と長男の誕生日には日本食レストランで寿司を食べた

うちから20分で行けるところにビーチがあることを知り、海に出かけた。プールや公園にもたくさんいった

ブルーベリー狩りにも行った。子どもたちは夢中になり、翌週も「また行きたい」と言った。

フォートラングレーでは、州の歴史を学び、プールで泳ぎ、動物園を歩いた。可愛い街を家族で楽しんだ。



沖縄そばの屋台がうちの近くに来てくれたので久々にソーキそばを食べた

会社では企画していた新商品のローンチが成功し、昇給も決まった。税金にがっつり持っていかれるのを見て改めて、「会社員は大変だ」と思った。

旅行や新しい体験をすると、小さい二人は目に見えて言葉が増える。おしゃべりがどんどん止まらなくなり、会話が広がっていく。
「成長するって、こういうことか」と思う。
総じて、楽しい夏だった。
短くて、煙たくて、騒がしくて、そして愛しい。
気がつけば、もう秋の匂いがして