お正月を日本で過ごしてカナダに戻ってきました。時差ボケがかなりきつくて数日苦しみましたが、なんとか社会復帰を果たしております。

さて、仕事には大きく分けて、プロジェクト型の仕事と、KPIで測れる仕事があるように思います。

例えば、会社の中でのグラフィックデザイナーの仕事を考えてみましょう。彼らは、マーケティング部門から依頼される広告素材やデザインを制作し、納品することが主な役割です。このような仕事では、単純に「何個作成したか」という数字で成果を測るのは難しい場合があります。

測定可能な目標として設定できるとすれば、「依頼から〇日以内に最初のドラフトを提出する」といった提出期限のルールを作ることぐらいでしょう。とはいえ、現実には、急ぎの依頼が後から入ってきて「明日までに対応してほしい」となることもあり、常にそのルールを守るのが難しい場合もあります。

プロジェクトマネジメントの難しさ

私自身、現在カナダの企業で商品開発(プロダクトディベロップメント)に携わっています。この仕事では、中国の製造業者とのやり取りや、デザイナーとのコラボレーションが主な業務です。言い換えれば、プロジェクトをコーディネートし、進行管理を行う仕事です。

このような仕事では、日次や週次でのKPIを設定するのは難しいと感じます。なぜなら、私たちの商品開発の仕事で最も重要なのは、プロジェクトが予定通り進行しているかどうかだからです。具体的な「進捗の可視化」や「振り返りのプロセス」は必要ですが、短期的な数値目標だけでは測れない仕事の性質があります。

数値で測りやすい仕事

一方で、デジタルマーケティングやSNS運用、営業職などは比較的KPIが設定しやすい業務だと感じます。

• デジタルマーケティングの場合:週単位でアクセス数やエンゲージメント率を追うことで、トレンドが見えやすくなります。

• 営業職の場合:契約数や売上金額といった具体的な数字が成果指標となります。

こうした分かりやすい指標がある仕事は、短期的な目標設定や成果の評価がしやすいのが特徴です。私の会社では、スコアカードを毎週つけてこのKPIを追っています。

プロセスを測るという考え方

私自身は、プロセスを測ることを重視する考え方が好きです。なぜなら、結果は自分では完全にコントロールできない部分があるからです。たとえば営業で言えば、どれだけ良い提案をしても、最終的に契約に至るかどうかは顧客側の判断に依存します。

SNSマーケティングでも、「3000ビューを達成する」という目標は計測しやすいですが、行動していても結果が伴わない場合もあります。

だからこそ、自分が「何を」「どれだけの質で」「どう進めたか」というプロセスをしっかりと振り返ることが重要だと感じますし、そこを評価してあげたほうがより仕事がしやすくなります。

進捗を測ることの重要性

結局のところ、どんな仕事であれ、進捗を測り、振り返り、次に進むというプロセスがなければ、仕事は前に進みません。プロジェクト型の仕事であれば進行状況を定期的に確認すること、KPIで測れる仕事であれば数字を追いながら次のアクションを考えることが求められます。

仕事のタイプによって適切な進捗管理方法は異なりますが、最終的には「振り返り」と「改善」を繰り返していくことが、どのような仕事にも必要不可欠なのではないでしょうか。