北米展開を考えるとき、相談先は「何ができるか」で選ばれることがほとんどです。でも本当は、その会社や人がどんな考えで間に立つのかも、同じくらい大事だと私は思っています。間に入る人の姿勢しだいで、作り手の手元に残るものが大きく変わるからです。この記事では、私がなぜこの仕事をしたいと思ったかを、ひとつの経験からお話しします。

結婚式の司会、1本1万円だった

以前、ウェディング業界で働いていたことがあります。結婚式の司会の仕事は、1本1万円。交通費は出ませんでした。

司会は当日の数時間だけの仕事ではありません。新郎新婦との打ち合わせ、進行の確認、台本づくりと、準備にも時間がかかります。お二人の大切な一日を、いちばん近くで支える役割です。

幸せな瞬間に立ち会えるのは、本当に嬉しい仕事でした。それでも、お二人が結婚式に払っている金額と、現場に届く金額との差には、ずっと違和感が残りました。

お金は、なぜ作った人に届かないのか?

現場にいて感じたのは、これは個人の問題ではなく、構造の問題だということでした。お二人が相談し、契約するのは式場です。司会者を含む現場の担当は、その間に入る式場や事務所を通して仕事を受けます。

そこから見えてきたのは、お金が「価値を作った人」ではなく、「お客さんとの接点を握っている人」に集まりやすいということです。カップルが最初に訪れるのは式場なので、値段を決めるのも式場になります。司会者や職人がどれだけ良い仕事をしても、お客さんに直接選ばれる経路がなければ、交渉する力を持てません。

これは結婚式に限った話ではないと感じています。作る才能と売る才能は、まったく別のものです。いいものを作る人ほど、作ることに集中したい。だから集客や販路を誰かに任せる。そして任された側が、取り分を決めてしまう。モノづくりの世界でも、同じ構図はよく見かけます。

間に立つ人は、みんな悪者なのか?

そうは思いません。作り手だけでは届かない相手に届けたり、売れる形に整えたり、本当に価値を足している仲介者もたくさんいます。

私が違和感を覚えるのは、何も足さずに、立場だけで抜いていく構造です。間に入る人が増えるほど、作り手の取り分は減っていきます。だから私は、自分が間に入ることで、届く相手や伝わる価値が増えるときだけ、間に立ちたいと考えています。

私が「足せる」と考えている価値

私が足せるのは、作り手の技術や思いを、北米のお客さんに伝わる言葉と文脈に翻訳することです。

本業では北米の企業で製品開発に関わり、国内外のメーカーとやりとりしています。その中で、日本のメーカーの品質への姿勢は群を抜いていると実感してきました。ところが、その良さは日本語のまま英語に置き換えても、なかなか伝わりません。北米のお客さんが何を知りたいのか、どの順番で、どんな言葉なら響くのか。そこを組み立て直して初めて、価値が価値として届くと考えます。

価値が伝われば、安売りせずにすみます。作り手が正当な対価を受け取れる状態をつくることが、私の仕事のいちばんの目的です。

どんな形でお手伝いしているかは、北米ブランドコミュニケーションパートナーとはでまとめています。

作り手にきちんと届く形で、一緒に北米へ

私がこの仕事を始めたのは、日本で価値を作った人が、きちんと報われてほしいからです。結婚式の現場で感じた違和感は、今も私の判断の軸になっています。

北米に挑戦したい作り手の方と、同じ方向を向いて伴走したい。そのために、何をお手伝いして、何をお手伝いしないかも、はっきりお伝えするようにしています。

まとめ

  • お金は、価値を作った人より、お客さんとの接点を握る人に集まりやすい
  • 仲介そのものが悪いのではなく、価値を足さずに抜く構造が問題
  • 私が足せるのは、作り手の価値を北米に伝わる言葉と文脈に翻訳すること

書き手について
日本で事業開発やマーケティング・PRに携わったのち、バンクーバーを拠点に、北米の現地企業で消費者向け商品の製品開発・市場投入に約3年関わっています。日本のメーカーの海外向けプレスリリースや展示会メッセージづくりを、5年以上支援してきました。

無料相談について
オンライン・日本語で、日本時間の午前中に対応しています。事前の準備は必要ありません。御社の商品の良さを、北米のお客さんにどう伝えるか。そのたたき台を一緒に整理します。

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