新商品の開発がかなり佳境な私ですが、社内で今ステージを区切って、承認プロセスや振り返りをしっかりやろうという動きになっており、ステージの定義や整理を行っております。

アイデアから発売まで、途中がブラックボックスになっていないか

小さな会社でプロダクト開発をしていると、こういうことがよく起きます。

「あのアイデア、今どうなってるんだっけ?」
「もう決まったの?まだ検討中なの?」
「これ、いつの間にサンプル作る話になったんだっけ?」

誰かが悪いわけではありません。
アイデアから発売まで、途中の道のりを区切っていないと、
今どこにいるのか、次に何をすべきか、誰が決めていいのか、が全部あいまいになります。

これを解決するのが、ステージゲートという考え方です。
今回、自社のプロダクト開発を整理する中で気づいたことをまとめます。

ステージを区切る、というだけで解決すること

やったことはシンプルです。アイデアから発売までを、次のように区切りました。

  1. Discovery(発見):そもそもこの機会は追う価値があるか
  2. Concept(コンセプト):何を作るか、なぜそれが大事か
  3. Design(デザイン):具体的にどう形にするか
  4. Prototype(試作):実際に触れるものを作って試す
  5. DFM / Testing / Production Approval(量産設計・検証):量産できる形に仕上げる
  6. Packaging / IP / GTM Prep(並行作業):パッケージ、特許、発売準備
  7. Mass Production(量産)
  8. Launch(発売)
  9. Post-Launch Review(発売後の振り返り)

大事なのは、ステージの数や名前ではありません。
「今、自分たちはどのステージにいるか」を全員が同じ言葉で言えることです。

これができるだけで、さっきの「今どうなってるんだっけ」という会話がなくなります。

各ステージに「ゲート」を置く

ステージを区切るだけでは足りません。
各ステージの終わりに、次に進んでいいかを判断する「ゲート」を置く必要があります。

例えば、Discoveryのゲートは「Concept に進んでいいか」の go/no-go 判断です。
Prototype のゲートは「この試作品でDFMに進めるか」の判断です。

ゲートがないと、プロジェクトはなんとなく前に進んでいきます。
一度動き出すと、途中で止めるのが心理的に難しくなります。
「もうここまでやったから」という理由で、本当は止めるべき企画が最後まで進んでしまう。

ゲートを明示しておくことで、止めるタイミングを事前に決めておくことができます。
これは「厳しくする」ためではなく、手遅れになる前に軌道修正するためです。

誰が「作る人」で、誰が「決める人」か

もう一つ大事にしたのは、各ステージで誰が手を動かし、誰が承認するかを分けたことです。

うちの会社の場合、プロダクト側は方向性とステージゲートの判断を担当し、
デザイナー/エンジニアはビジュアル化や技術的な実現方法を担当する、という役割分担にしました。

例えばConceptの段階では:

  • プロダクトが担当すること:プロダクトビジョン、顧客課題、価格・利益の方向性
  • デザイナー/エンジニアが担当すること:初期のビジュアル、スケッチ、技術的な実現可能性

この分担がないと、「デザインは誰の意見が正しいのか」「価格は誰が決めるのか」が
毎回その場の空気で決まってしまいます。

小さい会社ほど、ステージを飛ばしたくなる

正直に言うと、小規模の会社では、このステージを律儀に踏むのが面倒に感じることがあります。

でも、ステージが存在する理由は、スピードを落とすためではありません。
後戻りのコストを減らすためです。

Design段階で決めるべきことをPrototype段階まで持ち越すと、
Prototypeで作り直しが発生します。Prototypeで決めるべきことをDFMまで持ち越すと、
量産設計の段階でやり直しが発生します。後になるほど、やり直しのコストは上がります。

ステージを飛ばすこと自体が悪いのではなく、
「何を飛ばしたか」を自覚しないまま進むことが問題です。

まとめ:整理は、次に進むためにある

ステージゲートを整理してみて分かったのは、
これは「プロセスを増やして厳格にする」ための作業ではなく、
今どこにいるか、次に何を決めるべきかを、全員が迷わず言えるようにするための作業だということです。

もしあなたの会社で、「このプロジェクト、今どの段階だっけ」という会話が頻繁に起きているなら、
一度、自社のプロダクト開発をステージに区切ってみる価値があります。

完璧である必要はありません。まずは大まかな区切りと、
各ステージの終わりに「誰が go/no-go を判断するか」を決めるところから始めれば十分です。