先日、あるパッケージのプロジェクトで、外部のデザイン会社とやりとりをしていたのはマーケティングチームでした。ところが、そのパッケージにどんな内容を盛り込むか、どんなことを伝えるべきかを考えていたのは、プロダクト側の私たちです。
つまり、私たちが考えたことをマーケティングが受け取り、それを外部のデザイン会社に伝えるという形になっていました。間に人を挟むほど、伝えたいことが少しずつ形を変えていきます。まさに伝言ゲームのような状態になってしまっていたのです。
このプロジェクトを通じて、外注先とのやりとりそのものより、社内の役割分担をどう設計するかのほうがずっと重要だと痛感しましたので、今日はそのことを書いてみたいと思います。

本来の役割分担と、今回起きたこと
商品説明においては、本来こんな役割分担があります。プロダクト側が何を伝えるかを決め、マーケティング側がそれをどう伝えるかを考える。内容の責任はプロダクトに、表現の責任はマーケティングにあるという形です。
ところが今回は、外部のデザイン会社と直接やりとりしていたのはマーケティングだったため、内容を決める私たちの意図が、マーケティングを経由することで少しずつずれて伝わってしまいました。誰も悪いわけではないのですが、間に一人挟まるだけで、細かいニュアンスが抜け落ちてしまうのです。
最終的には、私がパッケージ全体の責任者になることになりました。コピーも私が考え、それをマーケティングに確認してもらったうえで、私自身がデザイン会社に直接投げる形に変えました。伝える人を一人に絞ったことで、ようやく内容がぶれずに外部へ届くようになったのです。
RACIを決めないと、みんなが辛くなる
この経験から強く感じたのは、誰が意思決定し、誰が外部とやりとりするのかを最初に決めておくことの大切さです。いわゆるRACI、誰が実行責任を持ち、誰が最終責任を持ち、誰に相談し、誰に情報共有するのかという整理が曖昧なまま進めると、次のようなことが起こります。
一つ目は、伝言ゲームによる情報の劣化です。意図を持っている人と、外部に伝える人が別だと、どうしても情報が薄まったり、ずれたりします。
二つ目は、責任の所在があいまいになることです。何か問題が起きたときに、誰が最終判断をしたのか分からなくなり、後から確認や修正のやり取りが増えてしまいます。
三つ目は、関わる人の疲弊です。誰が決めるのか分からないまま進むプロジェクトは、確認作業ばかりが増え、関わる全員が消耗していきます。
経営層・マネージャーが今すぐできること
部門をまたぐプロジェクトを始める前に、次の点を確認してみることをおすすめします。
・このプロジェクトの最終意思決定者は誰か、一人に絞られているか
・外部とのやりとりの窓口は誰が担うのか
・内容を決める人と、それを外部に伝える人が別々になっていないか
・誰に相談し、誰に情報共有すればよいかが、関係者全員に共有されているか
特に社員数5名から20名規模の会社では、担当者の人数が限られている分、なんとなくの役割分担のまま進んでしまいがちです。プロジェクトが始まる前にこの整理をしておくだけで、後の混乱をかなり減らすことができます。
まとめ
伝言ゲームは、誰かの能力不足で起きるわけではありません。仕組みとして、意図を持つ人と外部に伝える人が分かれていることが原因です。
今回は、パッケージの内容を決める私自身が外部とのやりとりも担うことで、ようやく意図がそのまま届くようになりました。RACIを最初に決めておくこと。それが、関わる全員を守るいちばんの方法だと感じています。

