こんにちは、キャリアアドバイザーの白木賀南子です。
私は法人向けのITヘルプデスクを長年やっていて、日々エンドユーザー対応をしていました。エンドユーザーとは、IT業界ではシステムやサービスを使う人たちのことであり、他の業界では商品やサービスを利用・購入する人たちです。ヘルプデスクは、毎日エンドユーザからの問い合わせやリクエストを受けている場所なので、実はお客様の声の宝庫!そこで起きていることを分析することで、お客様への新しい提案につなげていました。そして、ひそかに私はヘルプデスクでの問い合わせを気にしている営業さんはできる人だと思っていました。
今日は、営業やマーケティング担当は特に!でも、それ以外の商品やサービス開発に関わる人すべてにもっとエンドユーザーの声を聞いてほしいと思うので情報をまとめました。
Contents
消費は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!
どんなに良い商品や良いサービスを作ったとしても、使ってもらえなければただの自己満足の商品やサービスでしかありません。そこで、商品開発に関わるどんな人でも、現場に足を運んでエンドユーザーの声を聴いてほしいと思います。現場は、お店かもしれないし、実際にサービスを提供している場所かもしれないし、問い合わせ窓口を設置していればヘルプデスクかもしれません。
セミナーなどで実際に目の前にエンドユーザーがいるのであれば、表情もそうですが、最後にアンケートを取ると良いと思います。とにかくエンドユーザーの声が聞ける場所が、最終的にお客様の状況を知れる唯一の場所なので、めちゃくちゃ重要です。
エンドユーザーの声は3つに分類
ヘルプデスクをやっていた時、必ずエンドユーザーからの問い合わせをログに記録していました。そうすることで分析ができるようになるのですが、エンドユーザーの声は大きく分けて3つに分類することができます。
「どうやって使うの?」という問い合わせ
1つ目が、「どうやって使うのですか?」「最新のバージョンはいつ出ますか?」など、サービスや商品の使い方や販売時期などに関する質問や問い合わせがあります。問い合わせの分析を行うと、例えば「同じような操作方法の質問が多いな」と気づいた場合は、「説明書をもっとわかりやすく書く必要はないか?商品やサービスそのものの操作がもっと簡単にできるように改良できないか?」といった考察と提案ができるようになります。
「○○できない!」というトラブル
2つ目は、「サービスが使えない」「商品の一部が壊れている」など、サービスや商品の不良やトラブルに関する連絡があります。これは、とにかくまずは早急に対応する必要があります。対応が遅れれば遅れるほど、エンドユーザーの不満がたまり、クレームに発展します。どうしたらトラブルにすぐに対処し、エンドユーザーの気持ちを治めることができるかがポイントです。
システムの場合、トラブルの報告数によっては、システム障害の可能性があるため、早急に関係部署に連携し、且つエンドユーザーに「システム障害が発生している」というアナウンスを出す必要がありました。トラブルの場合は、とにかくスピード命です!
その後「なぜこのトラブルが起きてしまったのか?」ということを分析して、再発防止策を考える必要があります。そうすることで、より良いサービスや製品を作っていくことができます。
「こうしてほしい!」というリクエスト
3つ目は、「こうしてほしい!」というリクエストです。要望やお願いと言えるかもしれません。商品の場合はあまりないかもしれませんが、サービスの場合けっこうこのリクエストがあります。企業内の場合は「申請書」に必要事項を記入して、提出してもらうという方法でシステム化されていると思いますが、そうでない場合は、できるできないの判断をきちんとしてお答えすることが大事です。最初からルールでNGの場合は、その伝え方が特に大切。なぜだめなのかということをきちんと伝え、代替案がある場合はそれを提示しましょう!そうすることで、エンドユーザーもリクエストに直接は答えてもらえなかったけど、きちんと対応してもらえたという感覚になってくれます。また、検討に時間がかかる場合は、きちんと期限を伝え、それまでに連絡をこちらから入れるようにすると信頼がアップします。放置されるとクレームにつながりますので要注意です。これも、リクエストが多い物に関しては、何か対策ができないか?ということを考えて提案すると顧客満足度の高い製品やサービスになっていきます。
「マイ・インターン」ではCEO自らエンドユーザーの声を聴いていた!
アンハサウェイとロバートデニーロが主演の「マイ・インターン」(原題:The Intern)という映画を見たことがありますか?私も大好きな映画なのですが、久々に見て気づきました!ファッション通販の社長を務めるアンハサウェイの登場シーンは、なんとヘルプデスクとして自らが電話を受けてお客様の声を聴き、クレーム対応をしているんです!結婚式なのに全然違う色のドレスが届いた~というトラブル対応を彼女は見事に電話上は処理し、電話を切った後「なぜ!?どうしよう!」と焦って対応しています(笑)そうそう!このCEOの感覚です!
その後にも、自ら製品を注文してみて自宅に届いた梱包をチェックしているシーンがありました。すごく現場主義というか、エンドユーザーの立場に立ってサービスを作っているんだなということが感じられます。
余談ですが、私は母親になってからこの映画を見たのが初めてで、もうアン・ハサウェイにも共感しまくり、旦那さんの気持ちもわかる、そして、ロバート・デニーロがいてくれたらどれだけ経営者は心強いか!!!となんだかあらゆる登場人物に共感しながら見てしまいました。働くママはぜひ見てほしい映画です♪
ということで、商品やサービスの開発に関わる人はエンドユーザーの声が聴ける場所に定期的に足を運んでみてください。そこには、必ずお宝情報が眠っているはずです!