デジタル時代においては、リアルな関係性構築だけではなくオンライン上の関係性構築が重要になりました。SNSは特に人と人の関わり方を大きく変えたといえます。

現在、個人だけでなく企業の広報活動にとってもSNSは不可欠なものとなっています。

SNSは、企業や個人がユーザーと関わり、有意義なつながりを作ることができるプラットフォームです。

しかし、SNSのアカウントをただ作成しただけでは意味がなく、対象者との関係性を保ち、関心を持ってもらうためには、継続的にコンテンツを投稿する必要があります。

今回は、広報活動を成功させるために、SNSへの継続的な投稿の重要性についてまとめてみます。

なぜSNSの継続的な投稿が重要なのか?

SNSで継続的に投稿することは、デジタル世界での存在感と関係性を維持するために必要不可欠です。

フォロワーの関心を集め、投稿しているコンテンツに興味を持ってもらうことで、ファンを作り出すことができます。

また、継続的な投稿は、皆さんのアカウントがアクティブであることを示し、知名度やリーチを高めることにつながります。

情報接触頻度を高める

SNS運用を成功させる一つの要素として、情報接触頻度があります。

なぜかたくさん会う人を好きになってしまうのと同じで、投稿を多く目にした方が記憶にも残り、好感も上がります。

定期的な投稿、コメント、ダイレクトメッセージを通じて、一貫してフォローとコミュニケーションをとることで、エンゲージメントを高め、ブランドロイヤルティを構築し、信頼できる情報源としての存在を確立することができます。

SNS上で積極的に反応することで、企業はフォロワーに最新のニュース、製品、サービスを伝えると同時に、コミュニティ感や個人的なつながりを生み出すことができます。

私はこのコミュニティ感というのがコアなファンを作るためにとても重要だと感じています。

定期的なSNSへの投稿スケジュールを広報戦略に組み込むことが、SNSでの成功を実現する鍵となります。

マーケティングと広報PRではSNSの使い方が異なる?

マーケティングと広報は日本では混同されやすいですが、アメリカやカナダでは全く別の部署、別のスペシャリストとして捉えられています。

どちらもSNSを使う場合がありますが、その活用において共通点はあるものの、主要な目的と戦略は異なります。

マーケティングでは通常、ターゲットを絞った広告キャンペーンを展開したり、製品の特長を紹介したり、顧客の声を強調したりすることで、製品やサービスを宣伝し、販売を促進するためにSNSを使用します。

これに対して、広報は、SNSを含むさまざまなコミュニケーションチャネルを通じて、顧客、従業員、投資家、メディアなどのステークホルダーとの関係を構築し、維持することに重点を置いています。

広報担当者は、SNSを利用して、企業に関するニュースや最新情報を共有し、記者やインフルエンサーと関わって企業のパブリックイメージを形成することもあります。

全体として、マーケティングと広報はどちらもSNSを活用しますが、目的がことなるため、目標や戦略(投稿内容を含め)は異なります。

SNSチャンネルの異なる特性を活かすには?

SNSチャネルには、それぞれ独自の特徴や強みがあります。

例えば、Twitterはリアルタイムに更新され、限られた文字数の情報を素早く提供されます。また、リツイートなどシェアや拡散がしやすいことも大きな特徴の一つです。

一方、Instagramは、写真と動画を中心としたビジュアルプラットフォームです。インスタ映えという言葉があるように、写真や動画のクオリティが求められます。

Facebookは、実名であることや実際に接点を持ったことがある人同士が繋がることが多く、ブログ記事など、より長い形式のコンテンツに適しています。

最近はTikTok などショート動画のSNSもユーザー数を伸ばしています。

各プラットフォームの特徴を理解することで、各チャネルのオーディエンスに合わせたコンテンツを作成し、エンゲージメントを向上させることができます。

ただ、あまりにもSNSアカウントが多すぎると運用が滞ってしまう場合があるので、まずは自分たちがどのユーザーにリーチしたいのか?そのユーザーが最も使っていると思われるSNSチャネルからスタートするのが良いです。

一度に複数のアカウントを運用しようとしても限られたリソースでは、なかなかうまくいかない場合がありますので、まずは1つでもSNSチャネルを安定的に継続的に運用できるようになることをオススメします。

魅力的なコンテンツの作り方

魅力的なコンテンツを作成することは、オーディエンスのエンゲージメントを維持するための鍵です。ここでは、魅力的なコンテンツを作成するためのヒントをいくつかご紹介します。

  • フォローに値する有益な情報を盛り込む
  • 高品質の画像や動画を使う
  • タイトルやキャプションは短く簡潔に書く
  • ハッシュタグを使い、知名度やリーチを高める。
  • インフォグラフィック、ビデオ、ブログ記事など、さまざまなコンテンツ形式を試してみる

投稿内容は、いつもお知らせばかりでは宣伝広告のように感じてフォローしてもらえません。

有益な情報、実績、お客様の声などを中心に投稿し、全体の1割くらいをお知らせや告知に使うと良いです。

リーチとフォロワーを増やすためのヒント

広報担当がSNSを使う目的は関係性の構築です。つまりコミュニケーションを取ることになります。

個人アカウントと違って企業アカウントは担当者の顔が見えづらく、なかなか知らない企業のアカウントをフォローするというのはハードルが高いかもしれません。

そのため、単に投稿して終わりではなく、コメントやダイレクトメッセージに返信することで、フォロワーとの関係性をつくっていきます。

また、他のアカウントとコラボレーションして、新しいフォロワーを獲得することも企画できるでしょう。

有料のSNS広告を利用して、知名度とリーチを高めることもできます。SNS広告は、しっかりとターゲットを絞れば効果が出やすいです。

アナリティクスを使用してパフォーマンスを追跡し、改善すべき領域を特定することで、より質の良いコンテンツを作成できるようになります。

発信を継続するためのヒント

SNSはブログなどのストック型と違いフロー型なので、過去の投稿が残るというよりも、今の投稿がどんどんタイムライン上を流れていく感覚です。

定期的な投稿スケジュールを作成して、守るようにしましょう。

また、プレスリリースと同じく、時事問題やトレンドのアンテナを常にオンにして、魅力的なコンテンツを提供しましょう。商品の宣伝やお知らせだけの企業アカウントはフォローされません。何かしらフォローするに値する有益な情報があることが大切です。

競合他社の成功例や失敗例を参考に色々と試行錯誤してみることで皆さんだけのオリジナルが出来上がってきます。最初は成功しているところの真似からスタートでも良いと思います。

ブランドイメージはSNS上でも大切ですので、トーンとマナーをしっかりガイドラインにまとめて、担当者は一貫した発信を心がけましょう。

まとめ

SNSに継続的に投稿することは、広報活動を成功させるために非常に重要です。継続的に投稿することで、フォロワーの関心を集め、認知度を高め、より大きな成長の機会を得ることができます。

各SNSの特性を理解し、魅力的なコンテンツを作成し、リーチとフォロワーを増やす戦略を駆使することで、広報活動に役立つSNS戦略を成功させることができます。