新生児って赤ちゃん特有のいい匂いがするよね〜と家族でふがふがしている白木賀南子です。

さて、皆さんは日本進出しているカナダの有名ブランドをいくつご存知ですか?

私はカナダに来るまで、カナダのブランドでそんなに有名な企業あるの?と全くもって知りませんでした。失礼ながらメープルシロップのイメージしかなく…

調べてみると、メイク用品の.M.A.C、保険会社Manulifeなど、おっ知ってる!カナダなの!?という企業から、洋服ファション系だと高級ダウンのCanada Gooseも有名ですね(これはさすがにカナダって入ってるから知ってたw)

中でも今、都内でも店舗拡大しているのがLulu lemon Athletica (ルルレモン)です。

六本木ヒルズのもともとBanana Republicの跡地に路面店を構えるほどの成長ぶり。六本木で目にしていましたが、変な名前〜と思ってたし、この頃はヨガを全然やってなかったのでヨガウェアは興味なし!と思ってノーマーク。まさかカナダのバンクーバー発祥のブランドだったとは。

ということで今回はルルレモンとそのマーケティング戦略、カナダ企業の日本進出について私なりの見解をお伝えします。

ルルレモンとは

カナダのバンクーバーに本社を置くスポーツ衣料の小売業社、ルルレモン・アスレティカ(lululemon athletica)は、1998年の創業。

創業者のチップ・ウィルソンは、バンクーバーの海沿いの街Kitsilanoに、昼はデザインスタジオ、夜はヨガスタジオの顔を持つスペースをオープン。単にウェアを売る場ではなく、地元の顧客の集まるコミュニティの場を生み出しました。

ルルレモンは、ヨガやピラティススタジオへ通う人々が着用するウェアを中心に展開しており、その特徴は高機能性とデザイン性の両立でした。(噂によるとバイクで転倒すると、膝は擦りむくけどルルレモンのパンツは破けていないとか!)

バンクーバーでは、普段着としてヨガやピラティスをしない人たちも日常的に着用するなど、男女問わず人気のブランドです。

現在では、北アメリカを中心に世界各地で400以上のストアを展開しており、日本でも六本木、新宿、原宿などの中心地に店舗を拡大中。

<参考URL>https://www.lululemon.co.jp/ja-jp/our-stories/our-stories.html

カナダで人気の理由

コロナ禍で売上をさらに伸ばしているルルレモンですが、リモートワークが当たり前になり、外出が減ることで、洋服に求められるのが、ファッション性よりも可能性や快適さになってきたことが大きな要因なのではないかと思います。

カナダを歩いていると、オフィス街は除き、ほとんどの人がパーカー、スウェット、レギンスなどを履いています。

私も日本から来たばかりの頃はジーンズとか履いていたのですが、だんだんジーンズのゴワゴワした感じや動きづらさが嫌になって、遂にはレギンスで外をウロウロするようになってしまいました(笑)これが本当に快適なんですよね。

こちらでは足やお尻のラインが太く見えるかもしれない…など日本ではちょっと普段着として着るのを憚られるレギンスも、体形は人それぞれ。価値観も違うので、全く気になりません!

もう一つ、ルルレモンはロゴが目立ちません。というより見えるところには入ってないと思います。なので、外で見かけてもルルレモンの商品かどうか判断できません。これも人気の理由だと思われます。

UNIQLOも同様だと思うのですが、そのブランドのイメージに縛られたくないという意識が働いていると思います。

CHANELと書いてある洋服を着ている理由は、「CHANELを着ている自分」という自分が好きだし、それを人にもわかってもらいたいからだと考えられます。そのブランドの服を着ることで、ある意味そのブランドのイメージが自分にもつきます。

洋服をブランドのイメージではなく、着心地や機能性で選ぶ。もっと本質的に、自分が気持ちいいか、過ごしやすいかどうかを重視する消費者が多くなっているのかもしれません。

ルルレモンのリレーションシップマーケティング戦略

ルルレモンのマーケティング戦略は、リレーションシップマーケティングに基づいています。

リレーションシップマーケティングとは、単なる販売取引よりも顧客の維持と満足を重視するマーケティングの形態です。

ルルレモンのマーケティング戦略は、「製品だけでなく、ライフスタイルを販売する」という重要な原則に基づき、ヨガパンツという全く新しい衣類のカテゴリーと、それに付随するライフスタイルを立ち上げました。

顧客との長期的な利益の創造と関係構築をするので、押しつけがましい広告や販売促進メッセージの枠を超えた感情的なつながりを生むコミュニケーションを展開します。

これは、どちらかというとPublic Relations=広報的な観点に近いなと私は思います。

丁寧に顧客のニーズを把握し、コミュニティという形でつながりをつくり、双方向のコミュニケーションを行っていくことが、これからのマーケティングにも求められている証拠だと言えます。

また、単なる商品ではなく、それらを含むライフスタイルを販売することは、より消費者がこのブランドを自分ごととして受け入れられやすくなっているのではないかと思います。

ちなみに、ルルレモンは2026年までに売上高を125億ドル(約1兆6400億円)に倍増させる5ヵ年成長計画を発表しています。益々成長していきそうです。

<参考URL>https://corporate.lululemon.com/media/press-releases/2022/04-20-2022-113017957

日本での広がりと名前の由来

カナダでは男女問わず人気がありますが、日本では恐らく女性の指示の方が大きいと思います。

また、ヨガウェアを普段着として外で着用する習慣はなかなか日本では根付かないと思うので、日本ではスポーツウェアとしての展開の方がメインなってくるのではないでしょうか。

お値段は1万円以上する商品が多いので決して安くはありません。

ちなみに、ルルレモンという名前の由来がネット上で物議を醸していました。というのも、創業者が「Lを重ねると日本人が発音できなくて面白い」といった理由でこのブランド名にしたという発言を過去にしていたそうです。

カタカナにすればもちろん発音できるのですが、Lululemon という本来の発音は日本語にはないLの音が重なるので確かな発音しづらいです。

レモンに意味があるわけではないのか…とても差別的で嫌なネーミングだな…と個人的には思います。残念ながら私はこれを知ってから、イメージが悪くなってしまいました。

(創業者はもう経営には関わっていないようですが)

カナダの日本進出ブランドにはアパレルが多い

ルルレモンやカナダグース以外にも、Arc’teryx(アークテリクス)という登山用品のブランドも日本のECサイトで購入できるようになっています。

日本進出するブランドにアパレルが多いのは、やはり輸送のしやすさ、在庫管理のしやすさがあると思います。

化粧品、サプリメント、食品は品質管理や輸送方法、法律的な面でかなりハードルが高いと言えます。

日本は独特の文化慣習がありますので、新しい物を導入し、浸透させるには、かなり日本国内のことを理解した上で進める必要があります。

しかし、ファッションに関しては海外のトレンドにとても敏感な国民だと思うので、ファッションブランドは日本に参入しやすいのではないでしょうか。

グローバル展開するには各国に合った戦略が必要

国外に展開する際には、進出する国の文化、価値観、ビジネスマナーなどをしっかりと把握した上で戦略・戦術を練っていく必要があります。

私もビジネススクールのIntercultural Communication for Businessというコースで、北米・ヨーロッパ・中東・アジア・アフリカなど各国のビジネスカルチャーや進出した外国企業のケーススタディを学びました。

日本はアジアの中でも独特のビジネスカルチャーと市場を持っています。

また、日本におけるPRやメディアリレーションは日本特有の正攻法があります。

日本での認知拡大、売上向上のための広報戦略を必要とされる方がいらっしゃいましたら、お問い合わせください。

まだ日本に進出していないカナダの人気ブランドは他にもたくさんありますので、これからも各ブランドのグローバル展開を楽しみにしていきたいと思います。