最近、改めて広報PRの仕事は難しいけれどやりがいもあるし、面白い仕事だなと思います。

開発の裏にある経営者や開発者たちの想いを伝えること、人の役に立つ商品やサービスを世の中に広げられることが特にやりがいを感じるポイントです。

今回は一般的に言われていることに加え、私が普段大切にしていることも含めて広報PR担当者が大切にしたい10のことをまとめてみました。

橋渡し的コミュニケーション

効果的な広報担当者は、メッセージを効果的に世間に伝えるために、優れた文書および口頭でのコミュニケーション能力を有している必要があります。

特に企業側が発信したいメッセージとメディアや社会が求めている情報の橋渡しの役割は重要で、一方的に企業の言いたいことを伝えては単なる宣伝広告になってしまいますし、トレンドを意識しすぎると企業として発信したい本来のメッセージが薄れてしまいます。

この双方向のコミュニケーション能力は広報担当者にとって最も重要なスキルだと感じます。

また、商品やサービスの特徴ばかりではなく、経営者や開発者が「なぜ」それらを作ったのか?

こういったストーリーを引き出し、メディアを通じて世の中に伝わるように発信するためのコミュニケーション能力も非常に重要です。

特に他社との差別化はこの「なぜ」のストーリーの部分に隠されており、世界に一つのオリジナルストーリーになるからです。

客観的な取材とネタ探し力

広報担当者は常にネタに対するアンテナを張り、社内の取材を行うことが大切です。

こんなことネタになるの?という些細なことも、メディア目線で考えたら素晴らしい実績や情報の可能性があります。

社内にいると、どうしても「当たり前」になってしまうようなことも、客観的に、そして積極的にネタを探しに行くことで社内に眠るお宝情報を掘り出しましょう。

メディアとの関係構築

新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、オンラインメディアなど、記者や編集者さんとの関係構築は、広報担当者にとって非常に重要です。

企業側の要求ばかりではなく、メディアの担当者は何を求めているのか?を考えて喜ばれる情報提供ができるようになると関係性はよりよくなります。

企業、メディア、読者(社会)がオールウィンになるような情報発信を心がけることが、遠回りに見えて1番の近道なのだと感じます。

戦略的立案力

目標達成のための効果的な戦略を立案し、実行することができる広報担当者は重宝されます。

PRは何をゴールにすべきか難しい部分はありますが、例えば「このメディアに取材してもらいたい」「これくらいファンを増やしたい」「これくらい売上を伸ばしたい」といった具体的な目標に対して、広報としてどのようなアクションが取れるのか?を検討し、実行に移していくことはできます。

ただ、目標を設定しても計画を立てても、絵に描いた餅で終わってしまうので、必ず「実行」できるレベルの行動目標を立てて、それを振り返りましょう。一発で取材してもらえることはほとんどありませんが、継続的な情報発信は必ず身を結びます。

SNSの知識

ソーシャルメディアの重要性が高まる中、広報担当者は、ソーシャルメディアプラットフォームに関する知識を持ち、効果的に活用することができなければなりません。

SNSでファンやコミュニティを作ることも広い意味で広報としての関係性構築になります。

SNSにはさまざまな種類がありますので、「どんな人たちにファンになってほしいのか?」を考え、まずはその人たちにリーチできるSNSからスタートするのが良いと思います。

また、SNSごとに特徴があります。拡散性があるもの、より関係性が密になるものなど、どのようなファンを作りたいか?によっても使用するツールが変わります。

最近は動画での発信が重要性を増していますので、TikTok やInstagramsのリール、YouTubeショートなどの新しい情報にも敏感に反応できるようになるアンテナが必要だと感じます。

リサーチと分析力

広報担当者は、データを収集、分析、解釈し、対象者を特定、理解する能力が必要です。

  • どのようなメディアにアプローチするのか?
  • どのような情報が取材され、ニュースになっているのか?
  • どのような人にリーチしたいのか?
  • メディア掲載の効果はどうだったのか?

など、マーケティングや営業など他の部門担当者と連携し、会社の経営に大きなインパクトを与える役割としての責任感を持って対応することが大切だと思います。

リサーチについてはこちらの記事も参照ください。

リサーチを成功させるためにすべき3つの質問https://dp-connection.com/blog/5391

想像力と創造力

広報担当者は、既成概念にとらわれず、人々の注目を集めるためにユニークで革新的なアイデアを出すことができなければなりません。

そのためには、人が求めることを想像する力と、新しいアイデアを生み出す創造力の両方が必要です。

0から1を生み出すというよりも、「これとこれを組み合わせたらどうだろうか?」といった組み合わせや掛け算の思考の方が大切だと私は思っています。

世の中の動き、季節や行事に合わせて、どのように今手元にある情報を組み合わせて発信するか?

そういったことを考える習慣が、創造力につながると思います。

危機管理能力

ちょうど、スシローのペロペロ事件というのが、ネット上でもマスメディア上でも取り上げられていますが、本当に広報担当者の方の苦労を考えると辛くなります…

ネガティブな話題、製品リコール、システム障害、クレームなどの危機に迅速に対応し、管理することは広報担当求められる能力の一つです。

特に、B to Cの事業を行う企業は不特定多数の消費者がお客様になるため、日頃から万が一の自体が発生した時の対応方法を想定しておくことは重要です。

ブランドマネジメント力

広報担当者は、ブランドを効果的に管理し、発信につなげなければなりません。

特に、社会が企業に対してどのようなイメージを持つか?はトーン&マナーで決まります。

企業のイメージカラーやSNSで発信する言葉使いなど、どのようなブランドとして認知されたいのか?をきちんと経営層の目指す先のイメージを理解した上で情報発信を行います。

統一されたブランドイメージになるよう、ホームページ、資料などのテンプレートはもちろん、企業の顔となる社員に対する教育もとても大切です。

倫理観

広報担当者は、すべての仕事において、正直さや透明性など、高い倫理基準を守らなければならないと感じます。

特に誠実であることは、人から信頼される1番重要なポイントだと私は思います。

SNSで炎上させて話題になろうなどという浅はかな考えは、企業イメージを損なうだけでなく、企業の存続にも影響します。

すぐに成果を出したい、話題になりたいという気持ちはぐっと抑えて、地道な取材、創造、発信、関係構築による中長期的な成果を求めていくことが大切だと感じます。

まとめ

広報は、企業や組織のイメージや評判を形成する上で重要な役割を担っています。組織とさまざまな人々との関係を管理し、組織に関する情報を作成し、社会との橋渡し的に広めることが求められます。

広報担当者は、コミュニケーション能力、メディア対応能力、戦略立案能力、危機管理能力など、さまざまなスキルを兼ね備えていることが必要です。また、ソーシャルメディアに対する深い理解と、ターゲット層にリーチするために効果的に活用する能力も必要です。

さらに、成功する広報担当者は、人との関係を大切にし、クリエイティブでブランドマネジメントに長けていることが必要ですが、常に倫理的に、正直で透明性のある仕事を心がける必要があります。

スキルも大切ですが、三方よしの考え方で信頼できる人としての考え方や行動が最も重要なのではないかと思います。