先日、4年ぶりくらいにフラメンコのライブに出演して、ソロでタラントという曲を踊らせてもらいました。
フラメンコを始めたのは大学1年生の時。バレエを昔やっていたり、母が社交ダンスを教えていたり、叔母がフラメンコをやっていたり、踊りに振れる機会が多かったので、自分でも何かやりたいと思って始めたのがきっかけ。外国語大学で、フラメンコ部があるのも珍しかったから試しに始めたみた。でも、やっていくうちにどんどんのめりこんで、授業がない時はずっと練習場にいて、練習着のまま授業に出たりしていたくらいフラメンコ中心でしたね(笑)
それから、15年以上経った今でも続けているのは、何か言葉では説明できないけれど、自分の人生の一部としてフラメンコがあるような気がしていて、それを失うと自分が自分ではなくなってしまうような感覚に襲われるのです。
実際、30歳あたりで自分のキャリアや人生そのものに悩んでいた時、「こんなにお金も時間もかけて、何のためにフラメンコやってるんだろう?」って思って1回離れてみたことがありました。その時期に、会社を辞めて、独立して、結婚して出産もし、ある意味、自分が実現したいと思っていたことは全部叶えることができました。
でも、どこかで何かが足りないという感覚。どこか物足りない。
そんな時、主人が「子ども見てるからフラメンコのレッスン行って来たら?」と言ってくれました。最初は、まだ全然勘も取り戻せなくて、振りも覚えが悪い。子育てや仕事で使ってるシナプスや筋肉と踊りで使うものは全然違うのだ!でも、すごく楽しかったんです。
練習も楽しいけど、舞台に立つのはもっと楽しい。
緊張感、高揚感、カンテ(歌)、ギター、パルマ(手拍子)、ハレオ(掛け声)、そしてお客さんの拍手。
本番は、全部が一体化して大きなエネルギーになって、そこには清々しい何かがある。それは、本番でしか味わえない。
私はプロの踊り手ではないけれど、それでも見に来てくれたお客様が「良かった!感動した!素敵な舞台をありがとう!」と言ってくれるとものすごく嬉しい。
何を表現したいのか、何のために踊っているのか?
正直、わからないし、一言で言えないけれど、
自分が自分らしくあるために必要なんだなと思います。
私が習っているフラメンコ先生、篠田三枝さんが
「踊れること、舞台に立てることは当たり前じゃない。
だから一瞬一瞬に感謝して」と言っていました。
本当におっしゃる通り。
私も子どもができてからは特にそう思う。
生まれてきたこと、元気でいられることすら、奇跡だなって。
皆さんがもし何か、学生の時にハマってたとか、興味があってやっている趣味があったとしたら、ぜひ細く長く続けてみてください。それは、無駄なことでは絶対になくて、自分が自分らしくあるために必要だし、仕事や家族にとっても、巡り巡ってプラスに働く要素だと思います。私もそう思ってこれからも頑張ろうと思います。
もし、今までに趣味がなかったとしたら、おめでとうございます!これから見つけたい放題!興味あるな~と思うこと、片っ端から試してみて、自分が好きだ!と思うものに出逢えるまで試し続けられる。全部試したら、それはそれでまた新しい世界が見えてくる気がします。