お客様やクライアントとやり取りする仕事はもちろん、会社に勤めているとコミュニケーションを取ることが仕事と言っても過言ではないかもしれません。その中でも「質問に答える」ということが繰り返し行われます。
私は新卒からITヘルプデスクを約10年やっていたのでこの「質問に答える」ということを経験上当たり前のようにやっていたのですが、意外とこのコミュニケーションでつまずいている人が多いなと感じました。
今回は、仕事で信頼される質問への答え方についてまとめてみようと思います。
答え方が悪いと信頼を失う
「〇〇はこういうことですか?」
と聞かれたらまず皆さんはなんて答えるでしょうか?
冷静に考えれば「はい、そうです」
または「いいえ、違います」
になりますが、
仕事の場面においては「××だと言われたので~」など全く違う角度から答えてしまう場合があるのではないでしょうか?
Yes/Noクエスチョンやクローズドクエスチョンと言われますが、YesかNoか聞かれている場合は、Yes/Noでまず答えることが鉄則です。
相手は、YESかNOかが知りたいので、それ以外のことは不要な情報と考えて良いです。
聞かれていることにダイレクトに答えていない
相手に聞かれた事と違う事を返事してしまう
思い当たる場合は要注意!
この人、こちらの意図を理解してないな
話が通じないな
言い訳が多いな
まわりくどいな
何を言いたいのかよくわからないな
と相手に感じさせ、信頼を失っている可能性があります。
私もヘルプデスクを始めた頃は、電話越しに相手がイライラしているのが伝わってくる経験をたくさんしてきました。
「相手の知りたいことに答える」
これが最も大事です。
お客様相手だけでなく、上司・部下の関係も質問への回答で仕事が成り立ちます。
上司からの指示に従って作業を行い、それに対してフィードバックを受けることが仕事の大半なのめ、相手の質問の意図を理解して、それに対して正確に答えるというコミュニケーションが必要です。
質問から相手が知りたいことを把握する
では、どうしたら相手の知りたいことを把握できるのでしょうか?
まず、Yes/Noクエスチョンであれば簡単で質問されたことにYesかNoで答えます。
(当たり前ですが、多くの人ができていません)
次に以下の場面を考えてみましょう。
進捗状況の確認をしたい上司がいたとします。
①あれは、終わった?
②あれは、どこまで終わった?
この2つは似ていますが、聞きたいことが違います。
①は、終わったか終わっていないかという結果を聞いているのでYes/Noで答えるのが正解です
②は、「どこまで」終わったかという途中経過を聞いているので「〇〇まで終わりました」という回答が正解になります。
この〇〇に入る言葉は、曖昧な表現ではなく
50%までといった具体的な数字(達成度)や
〇〇の部分まで昨日終わりましたが、〇〇は今日中に終わる予定です。(期限)
といった具合に誰が聞いで同じ解釈ができる答え方をすると相手も進捗を把握できて安心します。
「だいたい終わりました」はNGです。
また、質問内容が曖昧な場合
例えば
「あの件、どうなってる?」
というような時は
5W1H式に回答すると漏れがなく相手に状況を伝えることができます。
Who 誰が
What 何を
When いつまでに
これは必須で
Where どこで
は必要に応じて伝えます。
Why なぜなら
に関しては自分の中で回答を持っておき、
相手から「なぜ?」
と聞かれた場合にのみ答えると
話しがスムーズ且つしっかり状況が理解できているなと認識してもらうことができます。
とにかく言い訳は絶対にしない
仕事が終わっていないといったネガティブなことを回答しなければいけない時に、「怒られる」「怖い」「ダメなやつだも思われそう」と避けたい気持ちになる人も多いと思います。
そして、伝えにくいから色々と言い訳な先に出てしまうといったことも多いですよね。
しなし、これは逆効果。どんな時も言い訳はしないということを肝に銘じてください。
まずは謝罪や自分の悪いところを認めてきちんと状況を伝えます。
そして、「なぜそうなったのか?」と聞かれた時には初めて状況を説明します。
ただ、その時も事実を述べ、自分の解釈や考えは一旦横においておきましょう。
誰にでもミスや最初からできないことはあります。
そこに対して責任感を持ち、反省して次に改善する姿勢を見せることができれば逆に好評価をもらえることの方が多いです。
ヘルプデスクをやっている時もよく謝罪をすることがありました。期限までに回答できなかったことや、解決できなかった、リクエストにお応えできなかったなどたくさんの反省があります。
その時に、まずは期限が守れなかったことへの謝罪、そしていつまでに必ず回答するというお約束や対応目処をお伝えし、次のお約束は必ず守る、対応が遅れそうな場合は早めにまた報告を入れるということをしていました。
相手は「自分の件が忘れられているのではないか?」「本当に対応をちゃんとしてくれているのか?」ということが心配なので、相手から確認の連絡が来る前にこちらから連絡するということを心がけていました。
ネガティブな回答も最後ポジティブに終わることができると相手も良い印象を持ってくれたり、最後までしっかり対応してもらえたという満足感につながります。Bad News → Good Newsの順に報告が後味もよいです。
とにかく言い訳はしない。これが大事です。
結論ファースト
結果から話せというのはよく耳にするけど
できていない…という人も多いのではないでしょうか?
PREP法という話し方があります。
Point(結論)
Reason(理由)
Example(実例・具体例)
Point(結論)
この順番で話すと相手に伝わりやすいという方法です。
例えば、何か問題が起きてその状況を一から説明するといった場合(顛末書など)は
時系列が大切なので説明は「時系列順」になります。
ただ、そうではない場合は基本的に「結論ファースト」で伝えます。
その結論も1行で伝えるくらい端的に伝えるようにします。
私ももう自分の口癖として
「結論から申し上げますと…」「結論としては…」というのは頭に入れるように心がけています。
結論を最初に伝えればその後の説明も大幅に短縮でき、時間も削減することができます。
「で、結局何が言いたいの?」と言われることが多い人は、ぜひ「結論としては」を口癖にして回答をしてみてください。
意見は感想ではなく改善か疑問
会議で発言しない人はいらないと言われますが、本当に発言しないのであればその場にいる意味がありません。
「どう思いますか?」と言われた時に「いいと思います」だけ答える人も厳しいことを言うかもしれませんがその場にいる意味はありません。
求められているのは感想ではないからです。
一歩でも二歩でもビジネスを前に進める、深堀りして質を高める、より良い決定を下すことが会議の意義です。
例:
賛成ですが、もっとこうした方がより良いと思います。
この情報がまだ曖昧だと思うのですが、具体的な数字や根拠はほかにありますか?
上記のように、改善ポイントや質問を投げかけてより中身のある、前に進める議論ができるように会議を進行することが大切です。
まとめ
質問には端的にYes/No、具体的な数字や期限、結論ファーストで言い訳せずに回答するということで、質問への回答というコミュニケーションの基本ですが、大事なポイントを抑えて信頼される人になっていただけると良いなと思います。