5月に入り、バンクーバーはもう初夏の陽気。日差しが強いので、日焼け止めが欠かせなくなってきました。

さて、長男(5)が2022年の9月からキンダーガーデンに通い始めて、半年以上が経過しました。

最初は英語が全然わからず苦労していましたが、さすがの幼児脳。今や、手を上げて答えたり、ちゃんとお友達を遊びに誘ったり、ものすごい成長スピードです。

先生からも「毎日すごくたくさん吸収してる!」と褒めてもらいました。やっぱり歌から学ぶことがすごく多いようです。意味はよくわからないけど、歌うのが好き!という感じで英語の単語を耳から覚えています。

キンダーガーデンで先生が子どもたちに教えている内容を見ていると、カナダでは「生きる力」をつけるための幼児教育をやっているように感じます。日本の幼稚園に通ったことがないので、比較はできませんが、息子が遊びを通じて学んでいることをまとめておきたいと思います。

自分の好きなことを人に伝える

毎月、自分の好きなことや自分の感じたことなどを絵に描いたり、その物を持参したりしてクラスの前で日毎に1人ずつ発表をしています。

先月は、「自分が春を感じるものの絵を描くこと」今月は、「自分の好きな本とその中のページ」でした。

自分のことを人に伝える力は、大人になってからも絶対に必要なコミュニケーションだと思います。むしろこれができない人がけっこう多いかもしれません。

同時に、人の好きなものを聞く、知るということもまた大事なコミュニケーションの一つ。これを毎月積み重ねていくのか〜と思うと、やるのとやらないのでは大きな差が出るなと思います。

ABCソングも歌ってます

自然との共存共栄を学ぶ

カナダでは雨でも雪でも外で遊びます。自然との共存共栄を遊びを通じて教えているそうです。

雨が降ったら、木の下に入って雨を避けてみる

松ぼっくりにノリをつけて、種をからめて、小鳥の餌として木に吊るしてみる

全ての蜂が危ないわけではない、だから蜂がいるからと騒がずに、落ち着いて行動できるように蜂の特長を知る(恐らく蜜蜂とスズメバチとかの違い)

苗を植えて、野菜やお花の成長を観察する(植える前の葉っぱを味見したらしくマズい!って言ってました)

また、今週は”The hungry caterpillar(はらぺこあおむし)”の絵本に則ってアオムシが蝶になるまでを観察すべく、瓶に入ったアオムシを飼い始めたようです。

サナギにみんななったよ!

金曜の午後は担任の先生ではない先生が来てくれて、一緒に外にお散歩に出て自然観察をしています。

日本にいる時は、雨や雪だと家の中にこもりがちでしたが、雨や雪が悪いことではないし、お天気に気分が左右されないようになると良いなと思います。(大人になるとついつい、雨だと嫌だな〜と思ってしまうので)

失敗してもやり直せばいい

ブロック、積み木、カップなど同じクラスの子や上級生とバディを組んで積み上げ、タワーを作るといったアクティビティをよくやっています。

その時に必ず「失敗してもやり直せばいい」ということを教えていました。

倒れてしまっても、大騒ぎしたり、泣いたりせずにできるまでやり直そう!ということをクラス全員がお互いに励ましあってやっているようでした。

うちの子は、うまくいかないとすぐにヒステリーになってしまうタイプなので、「やり直せばいいよね」ということをクラスのみんなとやっているのはとても有難いです。

できまでやり直せばいい!積み上げカップ

何をやるにも、この考え方がベースにあればやり抜くことができます。

子どもにとっては毎日できないことのオンパレードで、それをやり続けて少しずつできるようになっていきます。

大人になっても同じ。だけど、ついついこの「失敗してもやり直せばいい」ことを忘れがち。

いくつになっても、自分にできないことが目の前に現れたら、それは成長のチャンス!と40歳目前の私は思っております。

自分の感情と向き合い呼吸を整える

今の自分の感情や気分はどれ?と笑ったりや怒ったりした顔のイラストを見せてそれを自分で選ぶ。そして、吸って〜吐いて〜と深呼吸をして気持ちを落ち着かせるということを朝やお昼の外遊びから戻るとやっているそうです。

スリンキーって知ってますか?

トイストーリーに出てくる犬のオモチャがスリンキーなのですが、伸び縮みするオモチャです。

これを使って、呼吸の練習をしています。

感情のコントロールは大人でもなかなかできない人が多い中、これを幼児期からやるのはとても良いことだと思います。

感情をコントロールすることが、自己管理の第一歩だと感じます。

スリンキーはこんな感じのおもちゃ

長さ、重さ、数、お金について

長さは、単に定規で測るということではなく、子どもたちの身長を並べて隣のクラスまで何人分か?という、なんともユニークな教え方をしていました。

重さは、箱にクラスメイトを乗せて押してみて、重さの違いを感じるといった形。先生が乗るとめちゃくちゃ重くて動かないよー!といった感じでみんなすごく楽しそうでした。

楽しそうに重さの違いを測る

水に浮かべて沈む物と沈まない物は何か?を実験してみたり、個体液体気体を学ぶために、ミルクを降ってバターにするといったアクティビティをやっていました。できたバターはクラッカーに塗って食べたそうです。

お金は、カナダのコインを並べて表裏の絵を観察したり、数えてみたりしていました。

足し算は、サイコロを2つ振って出た目の合計を塗りつぶすといった感じで数字の読み方や足し算を学んでいました。

遊びが子どもを育てる

小鳥の巣箱

IQはもちろん大事なのですが、心の知能指数と言われるEQアップには、幼少期にどれだけ遊んだか?が大事と言われています。

生きていくためには、IQとEQのバランスが大事だと私も考えていますので、遊びを通じて心のあり方や実際に大人になってからも必要になる「生きる力」が身につけられるのでは?と思うカナダの幼児教育は素敵だなと思いました。

これから息子たちがどのように育っていくのかが楽しみです。